コア・バリューとは

コア・バリューとは、企業が最も重要であると考える価値観であり、日々、社員が考え、行動する上での指標として定めるものです。企業の「魂」や「信条」、またそこに働く個人の「働き方」「考え方」の基盤になるものといえます。
 
個人にも、国家にも、あるいは家庭にも「価値観」が存在しますが、その「価値観」はふつう自然発生的なもので、私たちは日々、無意識のうちに「価値観」に基づいてあらゆる判断を下しています。

社内で共有したい価値観を「意図的に」定めるコア・バリュー経営

コア・バリュー経営では、「企業」の構成員が共通して持っているべき価値観を「意識的に」定め、それらの価値観に基づく判断や行動を「意識的に」行うことによって、結束力が高く、個々が自立して働ける組織を目指します。

コア・バリューは、無数に存在する価値観の中でも、「中核となる」価値観ですから、企業が自らのアイデンティティとして、「これだけは譲れない」というものを定めるものです。ですから、むやみに多くても困ります。多くても十個以内に収めるのが妥当かと思います。

では、「どうやってコア・バリューを定めるか」ということですが、これは、やはり、創業者、あるいは経営のトップ(社長さん)やリーダーが、「どんな会社をつくりたいのか」という自らの熱い思いを土台に原案をつくることから始まると思います。

いかに「民主的にやる」とはいっても、会社の規模にもよりますが、社内の全員が満足するコア・バリューをつくることは不可能だと思います。また、これも会社の規模によりますが、社内の全員をコア・バリュー定義のプロセスに巻き込むことができない場合もあります。会社が小さい場合は、みんなで頭を突き合わせてコンセンサスをとっていくのが理想的でしょう。

しかし、ある程度大きな会社の場合でも、トップの考えを押しつければいいかというとそうではありません。命令をして「やらせ」てもパワーを発揮しないのがコア・バリュー経営です。社内のあらゆる部門、部署、チームから人を集めて、コア・バリューの作成に携わる「委員会」をつくる、その「委員会」に属する人たちが、現場の人たちの意見を聴く、そしてその他にも、現場のフィードバックを得る何らかの方法を設けておいたらいいと思います。そのようにして、現場の人たちが「理解」「共感」「納得」できるコア・バリューにする必要があります。

コア・バリュー(中核となる価値観)が社内の大多数に共有されると、シェアード・バリュー(共有する価値観)になります。コア・バリューは、シェアード・バリューになってはじめて、その効果を発揮します。

経営トップやリーダーの「パーソナル・コア・バリュー」も大事

会社のコア・バリューを考える前に、あるいはそれと同時に、トップやリーダーは自分自身の「パーソナル・コア・バリュー」を考えてみるのもいいと思います。「自分の」日々の行動や意思決定の基盤となっているのはどんなコア・バリューだろう、「自分が」大切にしている価値観はどんな価値観で、それが自分の人生にどんなインパクトを与えてきた(あるいは与えている)だろう、と考えることにより、会社にとってコア・バリューがどういうふうに作用し、どんなインパクトを与えるのか、がよりよく理解できます。以下のような問いかけをヒントに考えてみてください。

  1. 私にとって「成功」とは。その根底にある「価値観」とは何か。
  2. 人生の転換期となった「重大な決意(あるいは選択)」は。その根底にある「価値観」とは何か。
  3. 尊敬する人はどんな人か。その人が体現するどのような価値観に共感するのか。

会社のコア・バリューを考えるうえでのヒント

また、会社のコア・バリューを考える時は、次のような問いかけがヒントになります。

  1. 会社の「名物社員」、あるいは皆から尊敬されている/お手本にされている社員さんをひとり、思い浮かべてみてください。その人のどんな在り方・行動・考え方が尊敬されている/お手本にされているのでしょうか。その根底にある「価値観」は何でしょうか。
  2. 会社で、称賛される、あるいは奨励されている在り方・行動・考え方は何でしょうか。その根底にある「価値観」は何でしょうか。
  3. 会社の「あたりまえ」を考えてみてください。まず、「こういう時は、うちの会社ではこうするのが『あたりまえ』」という例を考えてみてください。その根底にある「価値観」は何でしょうか。

【コア・バリューの例】
ザッポス

  1. サービスを通して、WOW(驚嘆)を届けよ
  2. 変化を受け容れ、その原動力となれ
  3. 楽しさと「ちょっと変わったこと」をクリエイトせよ
  4. 冒険心をもち、創造的で、オープン・マインドであれ
  5. 成長と学びを追求せよ
  6. コミュニケーションを通して正直でオープンなつながりを育め
  7. 前向きなチーム/家族精神を育め
  8. 限られたところから大きな成果を生み出せ
  9. 情熱と強い信念をもて
  10. 謙虚であれ