本記事は、コア・バリュー経営協会会員向け記事として作成されたものです(2018年2月28日)。

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あるスモール・ジャイアンツのコア・バリュー・ストーリー(第四回)

コア・バリュー経営協会では、コア・バリュー経営の実践企業において、社員による「コア・バリュー・ストーリー」が共有されることを奨励しています。しかし、「コア・バリュー・ストーリー」と言われてもいったいどんなものかピンとこない、という皆さんのためにアメリカのスモール・ジャイアンツ(ペンシルバニア州フィラデルフィアにあるデザイン会社)の例を用意してみました。今日はその第四回です。

私たちのコア・バリュー:共に働こう

ウェブ開発者として仕事を始めた時、異なる専門分野の人が協業して働く同様なチームで働いたことがあった。すべてがリニアに進む従来型(ウォーターフォール)開発モデルが一般的だった当時、ユーザー・インターフェイスの専門家やデザイナーと机を並べて、彼らのビジョンを具現化するために一日中コードを書き直すことを繰り返したものだ。プロジェクト・マネージャーが情報の流れを一括管理し、スケジュールが予定通りに進んでいること、予算オーバーがないことを確認し、そして、皆が楽しく仕事ができるように気を配っていた。

その経験をもとに、私はチームというものはそのように健全に機能するべきものと思っていた。でもその後違う職場で、チームの仲間が私の判断を信用しなかったり、私の意見を重視しなかったりといったことが意外と多いことに驚かされた。また、ビジネス上のゴールやクライアントのゴールよりも、個人の縄張り争いが優先されることも驚きだった。チーム内のいざこざや権力争いに巻き込まれ、すっかり疲れ果てて家に帰ることもしばしばだった。

そんなことが15年間続き、この会社に来た時に、再び、チームが力を合わせて働ける環境に戻ってこられたことをとても嬉しく思った。そして、この「共に働く」ということをコア・バリューのひとつとして選ぶことには大きな意味があると思っている。

【共に働こう】
私たちは同僚やクライアントと力を合わせて働きます。各自のアイデアに価値を見いだし、共に働くことが最高の成果を生むと信じて。

「強いチーム」が効率よく、効果的に、そして楽しく働く、その秘訣は何だろう。まず、チームの中の一人ひとりが常に向上する努力をしていること、そして、お互いに「ナイスである」こと。これは、他者を尊重し、異なる視点にオープンに接し、共感を示すことを意味する。そして正直であること。そしてお互いに奉仕の精神をもって働くこと。より大きなゴールを達成するために、柔軟性をもち、臨機応変に振舞う姿勢をもつこと。私たちの会社の他のコア・バリューが実現されて初めて「共に働く」ことが実現されるともいえるし、「共に働く」ことは私たちがこの会社で働くうえでまず前提として守らなければならない約束でもある。

デザイナーとシステム開発者は「水と油」のように相反することが多いが、会社の環境が多様性を重んじる場合、異なる視点をもつ人たちが協業することは容易になる。私たちの会社では、このようにして、デザイナー、システム開発者、プロジェクト・マネジャー、クライアントが肩を並べて働き、相乗効果を生み出している。

*注:本記事は、米スモール・ジャイアンツ・コミュニティによるインタビュー記事に基づき、ダイナ・サーチが独自の視点や見解を加えて作成したものです

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