コア・バリュー・リーダーシップ

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「ネット・コマース」が到来した1990年代の終わりから、Web2.0、リーマンショック、モバイル、AIの到来など競争がますます熾烈化する波乱の時代を超えて、働く人や顧客の愛と情熱に支えられ圧倒的な市場優位性を築いてきた企業の共通項。それが、「コア・バリュー経営」です。
アメリカの企業経営の先端をいく奇跡のネット通販企業ザッポスの研究をはじめとし、名だたる先進企業の事例研究やフィールドスタディ、企業リーダーとの対話を通して学び、「コア・バリュー経営」を体系化し、提唱してきた著者が、先の見えない混沌の未来に向けて企業を繁栄に導くリーダーシップの在り方、「志と覚悟さえあれば誰にでもできる」リーダーシップ自己育成の方法を、豊富な企業事例を交えわかりやすく解説した一冊です。

第一部 混沌の時代

アメリカでは年に8,000店舗が閉店している・・・。そんな激動の市場において、働く人や顧客の心に訴える「存在意義(目的)」や「価値観」が企業経営においてなぜ重要視されるようになってきたのか。産業構造の創造的破壊を引き起こしている代表的な企業四社―アマゾン、エアビーアンドビー、ウーバー、フェイスブック―を挙げつつ解説する。

第二部 人間回帰のコア・バリュー経営

企業の独自性確立につながる「戦略的企業文化」の構築において、コア・パーパス(企業の社会的存在意義)やコア・バリュー(中核的価値観)のもつ重要性をザッポス(アメリカ)やヤッホーブルーイング(日本)などの企業事例を挙げて解説。

第三部 コア・バリュー経営のフレームワーク

リーダーシップのみならず働く人の「意識」を変えることにより、経営、そして組織を変革に導くコア・バリュー経営。それによって実現されるのは「人間性」と「健全性」に富む、「自律型」「参加型」の組織だ。アメリカで「規模」ではなく、「社会に貢献する偉大な会社になる」ことを目指し、逆説的な成長・繁栄を遂げるスモール・ジャイアンツ企業の事例を交えて解説。

第四部 コア・バリュー・リーダーシップ

混沌の時代に企業を繁栄に導く、コア・バリュー・リーダーになるためにはどういった考え方・あり方を学ぶべきか。「人生の目的」「日々生きるうえでの指針となるべき価値観」「未来の展望」を考える「自己の定義」をはじめとし、志と覚悟さえあれば誰でもできるコア・バリュー・リーダーシップ自己育成の方法を伝授する。

第五部 クリティカル・ファクター

トップ・リーダーに焦点をあて、経営・組織変革を成功に導くために必要不可欠な三つの要素について解説。

著者プロフィール

石塚しのぶ / Shinobu Ishizuka
Dyna-Search, Inc.代表、日米間ビジネス・コンサルタント

南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業やビジネス・モデルの研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。近年は、企業の長期的繁栄につながる戦略的な企業文化の育成をステップ・バイ・ステップで支援する経営革新手法、「コア・バリュー経営」を提唱。社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演を積極的にこなしている。主な著書に、『アメリカで「小さいのに偉大だ! 」といわれる企業の、シンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡改訂版~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~』(東京図書出版)などがある。

読者の声

【元大手百貨店役員】

「コア・バリュー・リーダーシップ」を読んで

著者が訪米し南カリフォルニア大学で学び、米国企業で経験を積み、自らコンサルテイング会社をロサンゼルスに設立した頃、日本は急成長の真っ盛りだったはずである。間もなく日本は無理な高度成長のバブル崩壊し勢いを失う。一方、米国ではマイクロソフトやアップルが出現、しばらくしてアマゾンなども台頭、中国がこれに追いつき追い越せの勢いを見せる。次第に日本はこの潮流に飲み込まれ、盛り返せずにいる。著者は米国の状況をつぶさに見る中、その影響が日本に伝わる様を、先行して感じていた。コンサルタントの立場と在米日本人として、祖国を視つつ分析を行っていたと言う。

著者は、米国発の新潮流が社会に与える影響の凄まじさをつぶさに見つつ、むしろ巨大企業よりもこれに対抗する企業の戦いぶりに一つの兆候をつかむ。多くの企業の現地・実地調査を丹念に続け、代表的な成功事例から導き出したのが「コア・バリュー」経営である。小さくても強く存在感を示す企業「スモール・ジャイアント」やアマゾンにもひと泡食わせた「ザッポス」等の実事例を日本に紹介している。米国に居て現場の情報を日本に伝え、企業の勢いを取り戻させ、明るい社会の取り戻しに貢献したいとの考えである。本書の出版と講演を通じて日本の未来を背負う志ある経営者に「コア・バリュー」のフレームワークを余すところなく伝えようとしている。

本書が繰り返し、伝えようとする「コア・バリュー経営」は珍しいことではないと思うが、志のある経営者がこれを真に理解し、自らとそのチームが実践できれば、その企業は存在感をもって生き残るだろう。

 

*今、渋沢栄一が見直されており「論語と算盤」で述べている、“人には逆境を避けられない時がある、その時先ず「自己の本分(自分に与えられた社会の中の役割分担)だと覚悟を決めるのが唯一の策」・・・自分の守備範囲を守り、「どんなに頭を悩ませても結局、天明だから・・・」とあきらめがつくならば、・・対処しがたい逆境にいても、心は平静さを保つ事が出来る・・・・”“私は社会に生きていく方針として、今日まで「忠恕」(良心的で思いやりある姿勢を一貫・・)を通してきた。”

 

*今月の日経「私の履歴書」は一橋大学の野中郁次郎教授である、一貫して企業の経営者と現場の人達と接する中での実証研究を続け、米国の成功例を(海外の論文の説明で無く)自ら理論構築し日本に伝えたてきたと振り返る。

*そして、最終日に経済学の父、アダムスミスを紹介、「国富論」での自由主義経済の重要性と前提として「道徳感情論」で他者への同感の重要性に触れている。

 

何れも本書の趣旨と酷似しており、興味深いと言うより当然とも思う。異なる点は世界(主に米中)の数社が殆どを飲み込む勢いという、今の世界そして日本を覆う状況の凄まじさである。社会や市場には従来の常識が通じないパラダイムの変革が起きている。長く続く優良企業があっという間に破綻に追いやられる。真面目に努力に努力を続ければ、誰でも成功できたのは、過去の時代になってしまったのか?2017年に創出された世界の富の80%以上を上位1%の人が独占していると言われる社会や市場の変化、急速過ぎるテクノロジーの進歩が私達を不安に落とし込んでいる。大多数の企業や店舗は直接の影響を受け、消滅するところもあり、その勢いは加速度的であると言う。

 

本書はこんな時代だからこそ、「コア・バリュー経営」の重要性を深く説き、その実現のためのリーダーに求められる考え方や実践方法を、日米の実例と共に具体的に述べている。

読者が経営者なら、今から実践し自らの「コア・バリュー・チーム」を作り継続に継続し、利益を上げ、明るい社会作りに貢献する企業作りをされたい。

以上

【元大手百貨店役員】

早いもので「ザッポスの奇跡」が2009年に発刊されてから、この「コア・バリュー・リーダーシップ」で、ほぼ10年になる。この間、著者は、企業現場に入り、トップマネジメントをはじめ、現場の人々の声を聴き、セミナーなどを通じて討論をすすめ、経営理論として、「コア・バリュー経営」の研究を継続されている。

最新刊を拝見して、着実に経営理論として、進展していると実感できる。

現在アメリカで進行している大激震が語られ、当方にとって、最もショックであったのは、あのシアーズが会社更生法の申請をしたというニュースである。

なぜ、シアーズが不振に陥ってしまったのか、「コア・バリュー経営」の視点で見てみるのも意味のあることであろう。

ピータードラッカーの論文の中で、「シアーズ・ローバックは、第一次大戦中から戦後の数年にかけて、アメリカの家庭のために情報を持つバイヤーになることを使命にさだめた。」とある。そして、「組織の使命を達成するために必要な中核的な卓越性」を確保することが大事であると指摘している。ここのところは、「コア・バリュー経営」の「コア・パーパス」と同一のところ。

シアーズが、この古いミッションに代わるシアーズらしい卓越性を持った新しい使命を実現できなかったのが、この結果だと言えよう。

さて、わが国の小売業、百貨店、量販店、家電量販店、一般の小売店など、若干の例外はあるかもしれないが、同様に不振が伝えられている。

それでは、これらの小売店の活性化策を、「コア・バリュー経営」によって、導き出せるのか。少し考えてみたい。

まずすべきは、コア・パーパスの見直しである。著者が、重視しているのか、「その組織の社会的存在意義」だ。その意図に沿った組織のミッションを明示しているか。

コア・パーパスは自らのミッションを明らかにすることであるが、それが、卓越していることが確立されていなければならない。いずれの組織においても、最大の鍵は人である。

著者は、『「コア・バリュー経営」とは、コア・パーパス(企業の社会的存在意義)やコア・バリュー(中核となる価値観)を定義し、会社のアイデンティティを明確にしたうえで、コア・パーパスとコア・バリューの日々の実践を通じて独自の企業文化を醸成し「人間性」や「健全性」に富んだ「参加型」「自律型「の企業組織をつくる、経営・組織改革手法です。』と簡明に示している。

この「コア・バリュー経営」の実践が、「コア・パーパス」の卓越性を創造し強化する可能性は高いといえる。

この著書において、コア・バリュー経営の一環として、組織の健全性について、注力されている。我が国においても、東芝の悲劇、日産の事件、スルガ銀行の不祥事、神戸製鋼の偽装事件、レオパレスの偽装事件等々、名門企業においても、組織の健全性を揺るがせる事故が続いている。

この点についても、コア・バリュー経営は、大きな働きをすると確信する。コア・バリュー経営は、基本的に組織の戦略的文化を形成することに大きな期待ができるからだ。日本の事例から見れば、トップマネジメントこそが、常に、コア・パーパス、コア・バリューを反芻しゆるぎないパッションで経営をリードしなければならない。しっかりした基盤があったうえで、尚且つ、組織の健全性が失われるリスクは多々存在する。

著者が指摘するように、一番の鍵は「情報の透明性」である。しかし、この実践の難易度が高い。なぜか。「情報の透明性」とは、悪い情報を組織内でオープンにすることだからだ。悪い情報を開示するには、告発にしろ、自主的な報告にしろ、その本人にある種の正義感と勇気を要求されるからである。

悪い情報を組織に開示することを促す仕組みと組織文化の醸成が求められる。

本書は、組織のリーダーを主対象として書かれている。それ故か、第4部コア・バリュー・リーダーシップ、第1章自己の創造に、コア・バリュー・リーダーになる第一歩が明示されている。自分自身の「ライフ・パーパス(人生の目的)」「ライフ・バリュー(人生の中核となる価値観)」「ライフ・ビジョン(人生の未来像)」の記述を必須と勧めている。これにより、「コア・バリュー経営」がとかく、経営者、トップ・マネジメントのことと見られがちであったが、この項を明確にすることで、コア・バリュー経営が、組織に所属する全員に関わることであることを明確化した意義は大きい。

【大手小売業管理職】

「ザッポスの奇跡」でザッポスやトニー・シェイに魅了されて以来、自分の中では企業の目指すべき究極の姿はザッポスです。

コア・パーパス、コア・バリューという概念を一人一人が体現することで、ただ単に業績の優れている企業や、企業理念をお題目にする企業でもなく、人の幸せと業績を両立させることができている企業です。

本で紹介されているコア・バリュー経営を実践している企業は、どれも既成概念にとらわれない新しい企業が多いと感じました。

司馬遼太郎さんは組織の寿命は30年とおっしゃいました。賞味期限切れの組織とも。

それなりに規模が大きく、かつトップがオーナーでない賞味期限切れの組織がコア・バリューを体現している実例はあるのでしょうか。もしくはコア・バリューを取り入れて変革に成功した事例はあるのでしょうか。

前者はスターバックスを思い浮かべましたが、後者はすぐ思いつきませんでした。

個人的な目標としては「デリバリング・ハピネス」を体現したく、現在、数店舗をブロックとして店長をフォローする仕事をしているので、店長からフロントのパートナーまで、一人一人が大切な存在であるということを感じてもらおうと、一人一人に寄り添うということ、いいところを見つけ感謝の気持ちをユーモアと言葉で伝えるべく行動にしています。その時に本書の「リーダーの行動」「目指せ!従業員エンゲージメント」は非常に参考になります。

【通信事業会社 代表取締役】

「コア・バリュー・リーダーシップ」との出会い

プランナーである私は、「企画書の書き方」や「企画立案の方法」のような、いわゆるノウハウ本をあまり評価しておらず、それが高じてビジネス書の類も少し避けていた傾向がありましたが、今回は尊敬する先輩が薦めて下さったこともあり、せっかくだからと本書を読み進めていくうちに、今の私の境遇にいかにマッチした本であろうかと驚き、思わずのめり込んでしまいました。

というのも、長年プランナーとしてクライアントから依頼された企画を立案する仕事に従事してきた私が、今年になってある縁から自分で事業を立ち上げることとなり、これからこの新規事業をどうやって進めていけばよいのか、経営者という立場に立たされ今までにもないほど大きな課題に直面していたからなのです。

本書を読んでまずなにより感じたのは、「事業とはいったい何なのか?」ということでした。今までの私であれば、「それは、こういう商流で、こういう差別化した機能を活かして、このターゲットに対してこうやって訴求し、結果としてこれだけの売上・利益をこの期間にあげる活動だ」程度でしかとらえられなかったと思います。

今まで、様々な事業を色々な方に説明・紹介してきた際にも、その軸は前述したようなある意味「表面的な」内容でした。その結果、思ったほど評価されなかった経験をもしましたが、その理由はよくわかりませんでした。

その私が本書を読み終えた時、真っ先に「今回立ち上げた事業は何のためにやるのか?どういう意義があるのか?」という大変本質的な疑問を持てるようになったのです。この本は、過去に私が接触した多くのノウハウ本が提唱している「スキルを身につける」ためのものではなく、「事業の本質とは何かを突き詰めること」を教えてくれた本なのでした。

技術的なノウハウやテクノロジーに関する知識は、常に進化しそれに伴って産業構造も変化する。当然そういった最新の情報を踏まえ、対応していくことは重要である。しかし、それを活用するのは人間であり、その人間がどういうモチベーションで仕事に取り組むのか、そこには会社としての「戦略的なコア・バリュー」や、社会的な存在意義とされる「コア・パーパス」がきちんと示されていないといけない・・・。

私は、その本質を考える機会をこの本から頂きました。

本書を読み、新規事業を通して私の会社が何を目指すのか、そのコア・パーパスを軸にまとめた考えを話してみると、反応は驚くほど違ったものになりました。その本質や目指す先を共有することによって、今まで難しかった様々な各論の事業構築が実にスムーズに進むようになったのです。

この本との出会いは、間違いなくこれから私自身が取り組む様々な課題を乗り越える力になると思います。

【通信事業会社役員】

『コア・バリュー・リーダーシップ』を勧められて読み進めていったところ、社会や市場の大きなパラダイムシフトが起きている現状や、世界的なプラットフォーマー企業がどのような価値観とポリシーを持って成長してきたのか、核となる要素について知ることができました。

第1部の「混沌の時代」では、産業構造が大きく変革して、市場の競争環境はすでに旧来型の産業セクター内の企業間競争の時代から、産業間でのプロダクト、サービスなど幅広い分野での競争の時代にあることが認識できました。

現在、新規事業開発の部門の顧客と商談する機会がある中で、シェアリングエコノミーやライドシェア、プラットフォームサービス、サブスクリプション、Maasなどのワードがもてはやされていますが、ビジネスモデル自体の革新性は理解していても、ウーバーやエアビーアンドビーのサービスが「企業の存在目的」に則り、「顧客視点を出発点に」考えられ、運用されているのかについては理解できていないことに気づかされました。

本書に記されている「『企業』と『顧客』の関係性を『人』と『人』の関係性に変換し、『愛』や『感情』『人間性』を、売り/買いのプロセスの中に注入する企業こそが、新しい時代の後継者となる」という考え方は、会社は金儲けをするための組織、集団という考えから脱却し、企業が社会や生活者に貢献し、共に繁栄していくという思想の重要性を感じました。

第2部「人間回帰のコア・バリュー経営」では、小売業の販売の効率化を重視して成長したアマゾンがザッポスという会社を買収した理由がなんとなくわかりました。感情や愛、人間性といった部分において徹底してきた異なる企業文化を持つものの、アマゾンが掲げる「生活者を出発点に」という経営原則に当てはまる文化だと思いました。

第3部「コア・バリュー経営のフレームワーク」以降の章では、「効率主体」から「人間主体」の経営、組織などの考え方、具体的な企業の例が紹介されており、その企業の経営者、リーダーに関心を持ちました。どんな行動が今後の自分に求められるのか、自分自身がこれからとる「発言」や「判断」「決断」はどうあるべきか、何度も読み返して検証する必要があると感じました。

今後、自身が責任ある立場でリーダーシップをとる際には、私自身が会社のコア・バリューを理解し、体現することが必要だと感じました。

会社のビジョン、コア・パーパスやコア・バリューがどんな意味を持つのか、それを熟考し、肝に落とした上で、実践、習慣化できるかどうかが問われるのだと思っています。

今の私にとっては、今後の人生におけるバイブルとして本著を位置づけていきたいと思う一冊です。新たな知を頂いたことに心より感謝申し上げます。

【宮松利博様】

「ヒトは企業を「スペック」で選ぶのか、「共感」で選ぶのか」

日本は今、重要な産業分野において「世界でひとり負け」しているとも言われ、ソフトバンクの孫さんにおいては「日本には投資価値のあるデータ x AI企業はひとつも無い」と酷評される惨憺たる現状です。一方で、当の日本企業は、のんびりムード、その変化にすら気づいていない。

本書では、そうした日本企業への警笛に始まり、世界の産業構造はどう変化しているのか、その競争社会で生き残り組が取り組む「コア・バリュー」とは何者なのか、日本企業の事例、私たちが実践する場合の注意点などが分かりやすく紹介されています。

かといって「テクノロジーを修得すれば良い」ということを著者が伝えたいわけでは無さそうです。例えば、先端的なテクノロジーで世界トップに躍り出た企業であるにも関わらず、ある日突然経営危機のピンチに陥った「ウーバー」。いっぽうで、後発のライバル企業の「リフト」はそれを尻目に競争に勝ち抜いた。どちらの企業も「コア・バリュー」を掲げていたにも関わらず、「コア・パーパス(社会的な存在意義)」が欠落していた事例として紹介されています。コア・バリューとは、日本でいえば「理念」のような事かもしれないのですが、新しい時代の産業構造や組織形態、またソーシャルメディアが発達した誰もが自由に発言できる透明性の高いSNS時代にあっては、「理念」自体のあり方を、大きく変革してゆく必要があるようです。つまり、どこでも見かける「正直」「親切」といった「道徳的なお題目どまり」の企業理念や企業文化ではダメだと著者は分析しています。

雇用される側からすると、他社との区別がつかない、つまり、会社のもつスペック以外の魅力である「やりがい」に欠けるということです。では従来型からどう変革してゆくべきなのか。そのキーポイントとして、「社員を奮い立たせ、お客様から愛されるコア・バリューを持つこと」「従来のような期待をリーダーに持たずに、新しいリーダーシップを育てること」「規模の大小ではなくマイクロブランドであっても良いので突出した個性を企業自身が持つこと」が挙げられています。実際に、私も複数の企業の雇用を担当する身として、「企業紹介が表面的で嘘くさい」「とりあえず待遇面だけで決めた」「経営層と働く層にある埋められないカベ」など、若い世代の辛辣な声を聴くにつれ「ヒトが来ない」「ヒトが残らない」理由は、古い体制から脱却できていないことそのものにあるな、と感じてきました。

ではどうすればよいのか。最近は、終身雇用にしがみつくより、プロジェクト単位でキャリアアップしたり、「組織に属さない」だけでなく「ものを所有しない」という働きかた、生活のしかたも増えてきました。まして、AIやキカイがヒトの代わりに働く現場が増えてくる以上、キカイにもまた「企業のココロ」を明確に学習させる必要があるでしょう。そのような社会のなかで我々マネジメント層は何を重要課題として取り組めば良いのか。著者は最後の章で、「情熱(パッション)」「やることとやらないことを決める」「本当に強く信じていることはなにか」という3つの提言をしています。その提言をもとにもう一度本著を読み返すと、行間に含められた「自分のためのやることリスト」が浮かび上がってくるのではないでしょうか。

スペックで選ばれた企業は、スペックが下がれば協力者を失います。共感で選ばれた企業は、難題が発生してもチームで乗り越えることができます。マネジメント層なら、少なからずそうした体験をしているはずですし、日々それで悩んでいると思います。お客様、働くスタッフ、経営チームのハッピーにつながることを模索する中で、どう変われば良いのか明確に指し示されている点が、私がこの本をお勧めする理由です。

【Gonpapa様】

「企業文化が生き残りを決める時代」

米国ロサンゼルスにオフィスを構えるリサーチ&コンサルティング会社の社長である石塚しのぶ氏による、コアバリュー経営の分野4冊目(ザッポスの奇跡の改訂版を考慮すると5冊目)の著書。
氏は、近年日本でも注目されるようになったザッポス(ZAPPOS)という米国のネット通販会社の経営に早くから注目され、同社を最もよく知る日本人だと思います。

近年、日本企業における離職率の増大や労働力不足を背景に、社員のモチベーションやエンゲージメントがキーワードになっています。太田肇氏がその著書「『見せかけの勤勉』の正体」で述べたように、勤勉な日本人というのは、もはや神話に過ぎなくなっています。

本書のキーワードは、コア・パーパス(企業の存在意義)とコア・バリュー(大事にする価値観)です。これらに基づく経営を導入することについて、経営トップが本気になり、社員の参加によって確立、浸透、実践していくことが提唱されています。
それによって企業文化が形成され、参画意識に溢れた社員が、コア・バリューで結びついた共同体となった会社で働きがいを持って最大限に力を発揮し、結果として企業も成長するというのです。

最近、ティール組織が話題を呼び始めていますが、形を取り入れるだけでは決してうまくいくものではなく、社員のエンゲージメントが極めて重要です。とかく観念論に終始しがちな、こうしたテーマについて、プロジェクトマネジメントの経験が豊かな石塚氏は、導入、実践についても紙面を割かれています。

だからといって、本書をマニュアルとして使えば、どの会社もコア・バリュー経営がすぐにできるようになるというわけでもありません。企業文化は一朝一夕に築かれるものではないからです。経営者と社員による実践の積み重ねが作り上げるもので、3年、5年といった地道でブレない取り組みが重要です。そこには、まずは経営者自身の変革、次いで組織のリーダーたちの自己変革が不可欠だと石塚氏は強調されています。それをもとに、社員全員がコア・パーパス、コア・バリューを暗黙知の次元にまで昇華し体現できる組織が作られ、他社からは見えない強みとなり、事業が成長し、存続が可能となります。

米国において、社員が愛し、顧客に愛される企業を研究する中から生まれたコア・バリュー・リーダーシップの考え方を実践する企業が日本で増えてくると、ワークライフバランスや働き方改革といった官製のムーブメントは必要なくなると思います。
サラリーマン社長の大会社よりも、トップがヤル気になった中堅・中小のオーナー企業の方が取り組みやすいでしょう。

【百草園様】

「組織を変えるリーダーは自己変革から始める」

著者の書籍は、『ザッポスの奇跡』からはじまり全て拝読しましたが、
この書はまさに、著者の集大成、とも言える一冊と思います。

どう集大成かというと、
著者が一貫して提唱し、アメリカの先進的経営者の重要関心事である『コアバリュー(経営)』を分かりやすく実践的に解説していることに加え、
(コアバリュー経営やその考えに共感する)職業人/リーダー/リーダーを目指す人として、どうあるべき?、どうふるまうか?、何をするか?、という個人の次元にまで落とし込まれていることに、
著者の集大成であり、究極の指南書と思いました。

『組織を変えるリーダーは自己変革から始める』
とのサブタイトルが、
まさにこの点を端的に表していると思います。

組織を変えないといけない、と本気で考えている方、
でも、どうやればよいか?、その方法論を思い浮かばなかったり、やり切る自信をもてない方に、
是非ご一読をお勧めしたいです。

【澤村光様】

「コア・バリュー経営が日本の中小企業を盛り上げる!」

経営に迷っていた時に出会ったザッポスの奇跡を読んでから、石塚さんのファンです。

いつもアメリカの先端事例をいち早く紹介してくださり、概念論だけではなく、どうしたら自社に活かせることが出来るのか、ということを本気で考えてくださっているような内容になっていると思います。

アメリカで経営のど真ん中にきているコアバリュー経営。まだ日本ではそんなに話題になっていないのかもしれませんが、これからは確実にくるだろうし、生活者が変わってきつつある中、会社のあり方も変わらないといけないことを突きつけられます。

ティール組織とかホラクラシーというような内容よりも、企業経営に寄り添ってくれていて、内容は分かるけど、どうしたらいいのだ?ということもなく、本当に多くの人に読んで欲しい本です。

【松尾葉様】

「時代を読み取る力を助ける本!」

日本とアメリカの両方がわかる著者だからこそ書ける内容だと思いました。日本だけでなく世界の流れをいち早く察知する事で、予測や準備や考え方などの参考になります。