社内の大多数が参加してこそ、企業文化を維持することができます。これを、ザッポス社CEOのトニー・シェイは渡り鳥の編隊の例を用いて説明しています。

渡り鳥のV字編隊に「リーダー」は存在しないということを皆さんはご存知でしょうか。それでいて、なぜきれいに編隊を組んで飛べるのかというと、隣りを跳んでいる取りと均等間隔を保って飛ぶという「本能」が備わっているからなのだそうです。つまり、すべての鳥が同じDNAを備えているからこそ、群れの構成員が50羽であろうと、500羽であろうと、整然と編隊を組んで飛ぶことができるのだそうです。

企業も同様で、働く人全員が同じDNA(コア・バリュー)を備えているからこそ、組織がどんなに成長していも企業文化を保つことができる、というのがトニーの理論です。これは、働く人全員が企業文化の担い手であるという考え方を象徴するものでもあります。

構成員のすべてが価値観を共有するだけではなく、一人ひとりが実践をもってして企業文化の育成に貢献すること。そしてお互いに刺激しあい、励ましあうこと、そういう環境をつくることが、企業文化を生きたものとして息づかせ、堅固なものに保つ秘訣なのです。

石塚しのぶ