日本自動ドア株式会社

日本自動ドアは、自動ドアの専業メーカーであり、主にコンビニやコーヒーショップなど一般店舗にサービスを提供している。全国での納品台数は20万超。年間の販売台数は1万台にものぼる。1966年に創業。今年、53周年を迎えた老舗である。
二代目社長である吉原二郎氏の就任を機にコア・バリュー経営に着手したが、特徴は組織の隅々にまで貫かれた人間主義である。コア・バリューにも「人格」と「正しい心」が掲げられている。社員の一人ひとりが日々の努力を通して人格を磨き「尊敬される集団」になることを目指しているという。
また、もうひとつ特徴的なのは、二代目社長の就任に際して「自動ドアの存在意義」の徹底的な再考を行ったことである。その結果、単に開いて閉まる機械装置を売っているのではなく、「手でドアを開閉することにデメリットを感じている全ての人々の悩みを解決すること」を使命に掲げ、1.感染症予防、2.バリアフリー化、3.省エネ社会の実現、4.入退室管理を通じた防犯対策、5.環境災害/自然災害から居住者を守る、という「五つの存在意義」を定め、イノベーションの糧とするに至った。

日本自動ドアでは、「創発イノベーション」を社風の根幹に位置付けている。そして、社内の役職や職種に関わらず、「イノベーション精神」を育み、その実践を促すため、様々な取り組みをしている。

たとえば、「アイデアの1000本ノック」という社内SNSがあり、社員さんが新商品やサービスのアイデアを投稿すると1本につき1000円が支給される。これが、「アイデアを出す」ことが習慣化した企業文化の育成に大いに貢献している。
こうした「イノベーション精神の醸成」の試みが、多くのアイデア商品の創出やそれに伴う受賞、「自動ドア」の枠組みを超えた新規事業の発足へとつながっている。

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マテックス株式会社

マテックス株式会社は、「窓をつうじて社会に貢献する」ことを理念のひとつに、揚げ窓ガラスの卸売り事業を営む会社である。
マテックスは昭和三年に創業された老舗で、三代目の松本浩志社長が会社を承継した際に、新しい節目として理念を成文化し、その浸透を図るために着手したのが「コア・バリュー経営」だという。

マテックスでは、コア・バリューを日々の考え方や行動に反映させるために、実にバラエティに富んだ社内イベントを開催している。

たとえば採用では、社長である松本さん自ら、マテックスの理念や文化について学生を対象にセミナーを行っている。また、社員を対象としたイベントとして、有志社員が各々好きなコア・バリューについて自らの想いを語る「コア・バリュー・スピーチ・リレー」、そして、各営業所では「社長ヌキ」でコア・バリューに則った「良い仕事」や「良い行い」を社員さんたちで発表、共有し合っているという。

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シカゴのケータリング会社

社長のトム・ウォルター氏は弟二人と共に裸一貫からホットドッグ・スタンドを立ち上げ、全米で尊敬されるケータリング会社に育て上げた。創業から15年があったある朝のこと、自分のデスクでコーヒーを楽しんでいたウォルター氏のもとに、若手社員が三人連れ立ってやってきた。
三人が持ち掛けた「折り入っての話」とは、「今、変わることができなければ、この会社に未来はない。もし、変える努力ができないのであれば、私たちは会社を辞めます」というものだった。

「変えるって何を?」というウォルター氏の質問に、三人の若者は「社員が自主性をもって働ける会社をつくる必要性」を説いた。そして、現状では、「皆が社長の顔色を伺ってばかりいる」と指摘した。

突然の三行半に当惑し、腹も立ったものの、「期待の星」である三人に辞められては困るとウォルター氏は真剣に考え、最終的に、「『会社を変える』方法について何か具体的なアイデアがあるのなら、その遂行を全力でサポートしよう」という結論に至った。

その後、ウォルター氏の会社は、コア・パーパスやコア・バリューの定義に始まり、コア・バリューに基づいて社員の一人ひとりが自ら考え、判断する会社への意識的なシフトを進めてきた。ウォルター氏は今ではCEOの座を退き、変わりにチーフ・カルチャー・オフィサーとして、「会社にとって最も重要な仕事=企業文化の育成と維持」に奔走している。

ウォルター氏の会社は、イリノイ州やシカゴ地域の「最も働きたい会社」として表彰されるばかりでなく、平均離職率が50%以上といわれるアメリカのケータリング業界においてわずか2%という驚異的に低い離職率、そして98%という高い従業員エンゲージメント率を維持する会社となった。また、全米心理学協会からは、「全米で最も心理的に健全な会社」として表彰されている。

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ベリル

ベリルはテキサス州ダラス郊外を本拠とする医療コールセンター・サービス会社である。アメリカ中の医療施設や医療関連会社のコンタクトセンター・サービス業務を請け負っている。

過酷な感情労働を基本とし、従業員満足度が低く、離職率が高いことで知られるコールセンターという業種で、「従業員が常に微笑んでいて」、しかも、利益率が同業者の4倍から6倍という、まさに「奇跡のような」会社である。

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デトロイト郊外のフード・サービス会社

デトロイト郊外のアナーバーという町に、デリを主体としたフードサービスの会社がある。創業から35年以上になるが、食材の「質」と顧客サービスに徹底的にこだわり、ラスベガスのリゾート・ホテルやディズニーランドから出店のお誘いの声がかかるようなお店を築いてきた。チェーン展開やフランチャイズ展開は、普通のフードサービス会社ならふたつ返事で飛びつくような願ってもない話だろうが、この会社のオーナーたちは頑として首を縦に振らなかった。なぜなら、「アナーバー以外でビジネスを運営しない」というのが彼らのポリシーだからだ。自ら足を運べないようなお店を、何のゆかりもない土地にオープンしたところで、自分が誇りを持ち、満足のいくような商品やサービスは提供できないと考えているからだった。

結果として、この会社はアナーバーでありとあらゆる食品関連のビジネスを展開している。原点であるデリはもちろんのこと、ケータリング・サービス、チーズの専門店、キャンディの専門店、コーヒーの専門店、レストラン、韓国料理屋さん、食品通販、結婚式場、イベント会場、「食」に特化したラグジュアリー・トラベル会社などだ。そして地域では、他に類を見ない「食」の体験を提供してくれる場所として、愛され、尊敬され、また、その町に住む大学生からは尊厳とやりがいのある職場としてもてはやされている。

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エアビーアンドビー

エアビーアンドビーは、世界最大の「空き部屋(短期レンタル)」のマーケットプレイスである。

エアビーアンドビーの使命は「誰もが『ここは自分の居場所だ』と実感できるような世界をつくること」。この使命が、同社の職場環境のデザインから、社員の「働き方」に対する考え方、空き部屋を提供する「ホスト」コミュニティとの関係性に至るまで、エアビーアンドビーの「あり方」の基盤になっている。
エアビーアンドビーは、創業当初から「企業文化」を会社の優位性の柱と考え、独自の文化を築き、維持することに最大の努力を払ってきた。

企業文化に対するエアビーアンドビーのアプローチは「社員一人ひとりが率先する」こと。全世界に支社や営業所をもつ同社だからこそ、社内イントラネットを駆使した社員同士の交流も盛んである。

また、定期的に、世界各地から社員が参加して行われる「ワン・エアビーアンドビー」という社員カンファレンスがある。2017年1月には、約3,000人がサンフランシスコの本社に集結し、三日間にわたる教育イベントやワークショップ、パーティなどが盛大に行われた。ネットの会社でありながら、社員同士の生の「触れ合い」を通して、「エアビーアンドビー・ファミリー」としての結束を固いものにしていくことにも力を注いでいるのだ。

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アトラシアン

アトラシアンはオーストラリアを本拠とするグローバル・ソフトウェア会社である。

アトラシアンといえば、「最も働きたい会社」としてもお馴染みであり、優れた企業文化で知られている。10年連続「赤字知らず」の優良企業でもある。
2015年には株式上場を果たしたが、その申請書類の中で、5つのコア・バリューをイラストつきで紹介し、「企業文化の礎であり、差別化戦略の源」であると語ったことが話題をさらった。

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ザッポス

ザッポスといえば、「経営戦略の中核は企業文化である」と述べ、十のコア・バリューに培われたサービス文化の徹底で顧客を驚嘆させる常識はずれのサービス体験を日々、創造する会社として知られるようになった。近年のアメリカの経営トレンドの中で、「コア・バリュー」をポピュラー化したのもザッポスの功績であるといえる。あのアマゾンが「どうしても勝てない企業」として2009年に約1,200億円で買収。当時、アマゾンにとって史上最大の企業買収であった。

そのザッポスが数年前から「ホラクラシー」と呼ばれる、セルフ・マネジメントを基盤とする新しい経営の形に着手し、新たな注目を浴びている。

これまでに約300社が「ホラクラシー」の導入に手を染めてきたが、ザッポスのように社員1,500人級の会社による導入事例は未だかつてなく、昇給・昇進の仕組みの問題、給与設定の問題など課題が山積みである。

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