「会社と社員」「部下と上司」、そして「同僚」を超えて


会社とその中で働く人たちとの関係を、ただ単に「会社と社員」の関係として捉えてしまうと、規則や階層がどうしても前面に出てしまいます。会社と社員は契約で結ばれた関係であり、会社は社員の時間をお金で買う、そんなメンタリティからは、創造性や超越したサービス体験は生まれません。

また、「部下と上司」という関係性においては、「ヒエラルキー」が何よりも大きな影響要因になりがちです。「自分の意見には反するけれども、命令だからやる」「良いアイデアがあるけれども、自分は提案する立場ではない」。このような社員の内なるつぶやきに耳を傾ければ、最高の成果や組織の成長にとって、階層の仕組みがいかに大きな妨げになっているかがわかるでしょう。

会社はお金を儲けるところであり、社員にとってはお金を貰うところであり、それだけだ、と考える人が集まる組織に未来はないでしょう。単純に計算しても、たいていの人は起きている時間の大半を会社で過ごしています。家族、友人、教会、町内会、あるいは趣味のサークルなど、人によっていろいろな「コミュニティ」に属していますが、人生の充実を目指すためには、自分というものを置き去りにして一日8時間を「犠牲」にする職場ではなく、自分という人間に与えられたありたけの能力を発揮し、周囲の人ともわかりあい、つながりながら働ける職場を志すべきだと思います。

それは、経営者だけでなく、働く人一人ひとりに課された選択であり、責任なのです。

石塚しのぶ